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十七歳の頁


手を伸ばせば届きそうだったのに
あんなにもあなたは



優しく暮れなずむ薔薇色の校舎
セピア色にとけた秋の日の放課後
白い息がすれ違った冷たい廊下
せつなさに胸が震えた
春休みの教室



はるか遠くに駆け抜けていった
あのときのあなたと


立ちすくんだまま置いてきぼりの
あのときの私が



もう二度と逢えなくなるなんて
思いもしなかったから





手を伸ばせば届きそうだったのに
あんなにもあなたは






流星のようだった
蜻蛉のようだった


私たち二人は




一度だけ同じ季節を過ごした



ひとりぼっちでも
寂しくはなかったと
十七歳の頁には
綴られているけれど
by soraemori | 2011-06-18 20:35 | 恋歌

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