息子よ
2006年 06月 22日
息子よ
雪の降る日に生まれた我が子よ
お前は良い子だ
母さんは知っている
手がつけられぬ程にきかんぼで
どうしようもなく腕白で
周りの大人は時々
お前を呆れて睨むけど
お前は本当は良い子だよ
母さんは知っている
小さな子供に優しいところ
花や生き物愛するこころ
息子よ
お前はきっと思うだろう
大人はいつも怖い顔
母さんいつも嘆いてる
でもね息子よ
悪いのは私
お前がどんなに良い子であるか
胸を張って叫べない
意気地のない私が
悪いのだ
息子よ
雪の降る日に生まれてきた我が子よ
あの日の雪は音もなく
穏やかな優しい雪だった
地面に届くとすぐさまに
消え去ってゆく雪だった
お前は
この日の雪のように
積もらず残らず
ただ人の
こころを静かに慰める
そういう人になるために
生まれてきたのかもしれないと
母さんは時々思うのだ
思いながら恥じるのだ
息子よ
おろかな母さんを
どうぞ許してくださいと
泣き寝入りのお前を抱きしめて
朝が来るまで詫びるのだ
いつまでも
いつまでも
詫び続けて
いるのだよ
by soraemori
| 2006-06-22 08:32
| いつか昔に書いた詩