夏の終わりに




夏は行ってしまったのではなく
まだそこかしこに居残っている


日差しの隙間に脱ぎ捨てた衣を
一枚一枚かき集めて
また身にまとう作業を続けている

少し疲れているのか、動きは緩慢だ


時折つくため息からは
夕暮れにとける草っぱらの匂いがする
頑なさを解き放った
木々の匂いも混ざっている


きっと彼は
せつない


短かった髪が少し伸びた
生成り色の帽子をしまった
振ると
からから乾いた音を立てる日焼け止めクリームは
潔くゴミ箱行きだ



無邪気に入り込んできた風が
カーテンを揺らしている
心地よい音楽のように肌をなでられて
私はじっとしたままはしゃいだ




遠く
いよいよ透き通っていく空を
また大切に取り出そう


口笛になって呼ぼう
生きることを急ぐ命の群れたちへ


私もここにいるからねと
そして大きく手をふろう
by soraemori | 2009-10-22 22:50 | 未完成