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冬の陽だまり


陽だまりに背をこごめ
あの人が新聞を読んでいる


埃舞う窓越しの景色は
水彩画の淡い冬


あの人の背中に降り積もる
砂時計の砂粒やら
ぽつりぽつり混ざり始めた
銀色の髪の毛を
私はずっと飽かずにながめていた


そっと背中に寄り添っても
あの人は微動だにせず
あたたかな体温だけが
物語る時の流れ


ふいにこぼれそうになって
こらえた言葉を
あの人は知っていただろうか


「ありがとう」
は出てこないのだ


ただ今は
夫とふたり
とけていたいと願う
冬の陽だまり
by soraemori | 2010-12-17 14:31 | いつか昔に書いた詩